イベントルポ「第3回オンライン被爆証言会」part2

2020.08.12

第3回オンライン証言会のルポ第2弾です。

今回は学生たちと児玉さんのやりとりをまとめています。45分以上学生たちの質問に真摯に答えてくださいました。

Q:児玉さんの中で、戦争が終わっていないってどういうことですか?(大学3年生)

私たちは戦争によって原子爆弾を落とされました。その影響で75年経っても、原子爆弾の後遺症によって亡くなる方がいます。私の家族でいうと、父も母も放射能の影響によってガンで亡くなりました。次女は2010年にガンを発症し、4か月後に亡くなりました。弟が2人いて、下の弟は当時5歳で被爆をしました。彼は定年後、多重ガンに苦しんで亡くなりました。もう一人の弟もそうです。私の家族だけでもこれだけいます。だから私の中でまだ戦争は終わっていないのです。何より、私たちを何十年も苦しめている核兵器がこの世界から無くなっていませんからね。

Q:SNSで気軽に発信できるようになりましたが、どのようなことに気を付けて発信したらいいのでしょうか?(大学3年生)

私たち日本被団協は1956年に結成しましたが、その年から海外に行って被爆の実相を訴え続けてきました。なかなか分かってもらえなかったのですが、2010年くらいから世界の市民社会が理解してくれるようになりました。「こんな非人道的な兵器が地球上にあってはいけないのだ」と。その思いが核兵器禁止条約の成立に結び付いたと思います。

広島と長崎の原子爆弾は今の核兵器と比べたら本当に赤ちゃんみたいなものです。現在の核兵器は何十倍の威力もあるし、小型化されています。1945年当時は、アメリカ(実験のために)と広島と長崎の3ヵ所で原爆が使われて、保有していたのは1ヵ国でした。しかし、現在は9ヵ国まで増えています。これは本当に怖いことです。

核兵器を保有している国の軍縮大使に「核兵器をなくしてください」と訴えています。みなさん、抑止力のために持っているのだと仰ります。ですが、抑止力では国民は守れませんと伝えています。

現在、世論は核廃絶へ動いています。核兵器禁止条約の批准国は39ヵ国になり、あと11ヵ国です(証言時の批准国、8月6日現在は43ヵ国が批准)。これを後押しするのはみなさんです。みなさんは被爆国で生きているのですから。戦争被爆国は日本しかないわけですから、堂々と核兵器はいらないと言っていいのです。あなた自身も、あなたの家族も、あなたの愛する人も被爆者にしないために核兵器は無くさなきゃいけないと思います。

Q:戦争を経験したことのない私たちが平和な世の中が続くためにどのような発信をしていけばいいのでしょうか?(大学生)

私もよく気にしている部分です。テレビの放映があっても夏が中心です。夏じゃないとあまり放映されないですよね。先ほども言いましたけど、日本は世界で唯一の戦争被爆国です。こんなことがあったんだよとしっかりと伝えていっていただきたいと思います。若い人たちが当時のことを知らないのは当然です。なので、いま生きておられる被爆者の方に関わらず、戦争体験者の方のお話を今のうちに聞いたり、本を読んだりしてください。

Q:今後、戦争を起こさないために私たちができることはあるでしょうか?

私は小学校などにお話に行ったときに、よく話すのですが、「喧嘩をするでしょう。最初は口喧嘩、次に殴ったり、それから石を投げたりと。それが戦争の始まりだ」と言っています。今まではそんな感じで戦争も始まっていましたが、核兵器があれば一発です。一発で国が無くなります。広島に落ちたときも予告はなかったんですね。

核兵器をなんで無くさないといけないのか、核兵器は人を殺すためだけの兵器だということ、一発であの被害があることを知ってください。人生は一度しかないので、後悔しないように発信していってほしいです。

Q:今の高校の授業で核兵器のことはほとんど勉強しませんが、児玉さんはどのような学校教育が必要だと思いますか?(高校生)

いろんな学生さんにお話をする機会があるのですけが、例えば小学生はアメリカが原子爆弾を落としたということすら知らないのです。家庭も学校も社会も核兵器のことを避けてきたのではないかと思います。日本の高校生の教科書では落ちた場所や日付の記載はあるのかもしれません。ですが、原子雲の下でどんなことがあったのか、どんな状態だったのかを知らない方がとても多いです。

でも高校へお話にいったときに、例えばヒバクシャ国際署名をお願いしたりすると、生徒さんたちが「わたしたちがやります」って言って、取り組んでくれました。授業の中でただ傍観するだけでなく、参加していくことによって、より身近に感じてもらえると思います。そういうことがきっかけで今度は自分から知ろうとすることができたらいいなあと思います。

Q:今の若者が後世に戦争について伝えていきとき、どんなことを強調して伝えていけばいいでしょうか。

戦争を伝えるとき、戦争とは一体どういうものなのかを知るということを強調したいです。人の命だけではなく、環境も変わるということです。核兵器が1万3千発以上あって、威力も増しています。使われれば、作物も育たなくなります。それは地球が滅びるということです。核戦争とは地球が亡くなること、人類が滅びる戦争になると思います。

Q:海外で証言をするときに、何か反対意見を言われたことはありますか?(高校生3年生)

アジアの人たちに話すときには、日本は加害国ですから、それにまず言及して謝ります。2017年にニューヨークに行ったときに、国連で中国の軍縮大使にお会いした時に「日本はいつも被害のことばっかり言う」と最初に仰ったのです。中国から日本に来てもらって、中国にどんな被害をもたらしたのかを話してもらって、私も中国に行って核兵器とはどんな兵器なのかを話す機会があればいいですねと伝えました。「そうだね」と仰っていましたが、その方にとっては難しいかもしれません。

Q:福島の原発事故についてどう思いますか?(高校3年生)

その事故のあとに海外の方に会うと「あなたは広島でも被爆して福島でも被ばくして二重に被ばくしているんだね」って言われるのです。海外の方から見ると、私の住んでいる千葉と福島はとても近い距離に感じるようです。福島はもう二度とあってはいけません。日本では原発が多いですが、地震国ですから持ってはいけません。日本は核兵器を持っていないと言われますが、原発があるということは、核兵器を持っていることと同じなのです。

Q:核兵器の抑止力を「しかたない」と考える人にどう思いますか?(高校生)

政策決定の立場にいる大使の方々は「国民を守るために核兵器は必要なのだ」と仰っています。原爆の被害を受けた私たちは、抑止力は国民を守ることはできないと思っています。抑止力って威嚇なんですよね。ある国の方は「核保有国が同時に全ての核兵器を捨てるならできるよ」と仰っりました。でもそうはならないから仕方ないと。大変難しいとは思いますが、人類のことや地球のことを思って話し合ってほしいと思います。

Q:改憲についてどう思いますか?

もし改憲というのが9条のことであれば、変えてほしくないです。広島、長崎があったから憲法9条ができたと思っています。だから改憲は許さないという気持ちでいます。

Q:日本を含む軍需産業の方とお話をしたことはありますか?もし会えるとしたらどんなことを伝いたいですか?

軍需産業に関われば、よその国の戦争をしていることの手助けをしていることになります。もう少し違う方面で人類に役立つことに利用してほしいです。

 

質問に答えるたびに児玉さんが画面越しの学生さんに「答えになっていますか?大丈夫?」と笑顔で話している姿がとても印象的でした。オンライン証言会だからこそ、回数を重ねるたびに被爆者の方と学生さんの距離が近くなっていると感じています。今後もオンライン証言会を続けていきますので、ぜひご参加ください。

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