【インタビュー】高橋悠太さん「シンプルな疑問から始めたこと」

2020.11.17

【インタビュー】高橋悠太さん「シンプルな疑問から始めたこと」

ヒバクシャ国際署名ユースとしても活動をしている高橋悠太さん。今年のNPT再検討会議に被爆者の方々とニューヨークを訪れる予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で中止となってしまいました。対面でのイベントが出来ない中で、オンライン証言会では被爆者のサポートなど、ヒバクシャ国際署名への関りを続けています。そんな高橋さんは「議員ウォッチ」という活動を立ち上げ、そちらでも精力的に核廃絶に向けて活動しています。どのような思いで活動しているのかインタビューを行いました。

議員ウォッチをはじめたきっかけはなんですか?

活動をスタートしたのは2019年の4月からです。世界では核兵器禁止条約発効の機運が高まっているのに対して、唯一の戦争被爆国である日本は核兵器禁止条約に背を向けていることがずっと疑問でした。核兵器のことを国レベルで話してもらうには、わたしたちの代表である国会議員にまず、核兵器に対する意思を表明してもらわないといけないというシンプルな思いから活動をスタートさせました。SNS、手紙、電話などを通して、国会議員にヒバクシャ国際署名の賛同有無を聞いています。

-現在までどれくらいの返答が国会議員からありましたか?

活動を始めた時に国会議員700人全員にヒバクシャ国際署名の賛同有無を訪ねる手紙を送りましたが、返答があり、賛同だったのは11%でした。この1年半で16%まで増えていますが、なかなか返答をもらえません。海外では、政治家と市民を繋ぐツールとしてTwitterがあり、そこでやり取りをしていますが、日本では主に選挙のときにしか使われていません。わたしたちのコミュニケーションツールの1つとしてTwitterをはじめとするSNSの利用を増やし、国会議員とコミュニケーションを取っていきたいと思っています。

-議員ウォッチでは具体的にどんな活動をしているんですか?

議員ウォッチの活動は国会議員だけにとどまりません。例えば「日本政府に核兵器禁止条約への参加・署名・批准を求める意見書」を全国のどの市区町村が出しているかなど情報を提供をしています。また、県知事がヒバクシャ国際署名に賛同しているかどうかの情報も提供しています。アクティブなシンクタンクとして活動を行っており、リサーチと分析と拡散の3本柱で活動しています。僕は主にリサーチャーを担当しています。

 

―HPがスマホ使用になっているのには理由があるんですか?

これは、「この人どうなのかな?」って思ったときに、スマホならその場で確認できる気軽さを重視しました。気になる議員には、SNSでメッセージを送ることができたり、電話をかけたりとアプローチすることができます。僕自身、広島が出身ですが、広島って政治と平和運動が距離を取ってきたと思い、広島が抱えるネガティブな部分を感じてきました。だから政治や政策決定者に対してダイレクトにアプローチすることをしてこなかった背景があります。そうした思いから、スマホで簡単に政治へアプローチすることで、一人一人の距離を縮められたらなとも思っています。実際に自分にゆかりのある議員にアプローチをかけている人はわりと多くて、選挙時も含めて有効に使っていきたいです。

―ヒバクシャ国際署名は議員に働きかけるのにどう役に立っていますか?

国会議員に核兵器について単純にYesかNoを聞いているのではなく、ヒバクシャ国際署名の基準があることがポイントだと思っています。ヒバクシャ国際署名は被爆者の方が声をあげ始めた運動ですので「その声に賛同するのか」を問ています。その回答は単にスタンスを示すことより重いものであると思いますし、ヒバクシャ国際署名を通して、国会議員自身が核兵器について真剣に議論を始めるきかっけになっている思います。

―議員ウォッチとしての今後の展望は?

10月23日から「Go To ヒジュン!キャンペーン」をスタートさせました。これを広げることによって、核兵器に対して、それぞれの議員がどう思っているのかが大きく取り上げられたらと思っています。広がりのために、例えば県ごとに担当をおいて議員にアプローチしていくつもりです。数字的な目標としては2020年末までに、ヒバクシャ国際署名への賛同率が16%のところを30%まで持っていきたいと考えています。そのためにはあと93人の賛同が必要で、県ごとにアプローチが出来れば、各県2人から回答を得られれば目標を達成できます選挙になったときに1つの政党の賛同率が過半数以上あるかないかは、有権者にとって誰に投票するかを決めることに繋がりますし、政党としてのインパクトにも繋がります。核兵器に関する議論を効果的に国会に持ち込むエネルギーにもなるでしょう。

―最後にみなさんにメッセージ

核兵器の問題は気候変動と同じように世界で考えるべき重要課題の1つです。それにも関わらず、日本政府の対応は不十分すぎます。国会議員として被爆者の声に耳を傾け、彼らにきちんと議論をしてもらう必要があります。

新型コロナウイルスの影響で、家にいることが多くなった今、核兵器について家で考える時間が作れた人もいるのではないかと思います。もちろん、想像しづらい核兵器の問題を自分事にするのは難しいですが、議員ウォッチの活動を通して、いかに僕たちが「核兵器が日常の問題であること」を引き付けられるかが重要であり、その想像力を働かせながら今後も活動を続けていきます。

感想

自分の手の届く範囲からこつこつを活動を積みあげていく高橋さん。そのパッションに尊敬するとともに、今後も若者を引っ張るリーダーとしての活躍を期待しています。活動はSNS等からリアルタイムで知ることができますので、ぜひチェックしてみてください。

◆議員ウォッチの各サイトはこちらから

HP:https://giinwatch.jp/

Twitter:https://twitter.com/giinwatch

Facebook:https://www.facebook.com/giinwatch

Syncable:https://syncable.biz/associate/giinwatch2020/

◆Go To ヒジュン!キャンペーンはこちらから

https://giinwatch.jp/news/49/

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